いま書いてる原稿が思うように進まず、むしろ薬飲んで寝る前にぼうっとしながら書いてるほうが捗るというクズみたいな有様です。
ビッキー・ホリディです。
今日はちょっと小説について書きたいと思います。
僕はジャンルとか作家とかにとらわれず、手当たり次第、ちぎっては投げちぎっては投げって感じで読んでいます。
なので誰かに勧めたい小説とかは、なかなか挙げるのが難しいんですよ。
ちなみに僕はチャールズ・ブコウスキーを師と仰ぎ、暗闇でマーラーを聴く男です。
チャールズ・ブコウスキー。僕の憧れの作家であり、師匠です。
彼の小説は、酒・女・ギャンブル。これだけです。自伝的小説で、本当にダメ人間すぎます。ただ、彼はユーモアを忘れない。どんなときも。ハッタリだけで生きている、それがブコウスキーなんです。めっちゃクールなジジイなんです。
「人生は見かけ通り醜いが、あと三四日生きるには値する。なんとかやれそうだとは思わないか?」
短編、『空のような目』にこんな文章があります。これがブコウスキーです。しょうもない生活も、ややペシミスティックに、それでいてクールに生きているんです。武士は食わねど高楊枝、ってやつです。
いつか彼のような小説を書きたいと思っているのですが、それにはまだ僕は青すぎます。
彼の処世術、哲学が最高なんですよ。小説として評価すると、くそみたいな小説なんですが、砂金を探すがごとく、そのドブみたいな文章を読んでいくと時々ハッとする文章に出会うんです。これがたまらない。
おすすめはできないんですよね。どれもどうしようもないほどクズな話なので。
紹介しておきながらあれですが、かなり好き嫌いが別れると思います。もしハマらなかったら、ファッキューを中指を立てて本を窓から放り出しましょう。
あとは芥川龍之介の『芋粥』という短編。
切ないというか、情けないというか。で、最後主人公もその情けなさに気づいてしまう。ものすごくみじめな気持ちにさせられます。芥川龍之介ではこれが一番好きかなー。
好きな作家は挙げればキリがないですが、三人挙げるなら、
チャールズ・ブコウスキー
カズオ・イシグロ
安部公房
ですかね。
江戸川乱歩も好きですが。『孤島の鬼』とかね。『パノラマ島奇譚』より、僕はこっちのが好きです。
安部公房でしたら、『砂の女』が人気ですが、僕は敢えて『燃えつきた地図』を推したい。
読んできた小説の中で一番好きです。是非読んで欲しいです。都会における孤独さ、無関心の海の恐ろしさがひしひしと迫ってきます。
カズオ・イシグロは、「信頼できない語り手」の名手であり、結構いやらしい小説を書くんですよ。文庫本で1000ページを超える『満たされざる者』がね、特にいやらしい。『日の名残り』も素晴らしいです。入るなら後者がおすすめです。
僕が小説を読むにあたって、選ぶ基準ですが、まずは作者の言葉で書かれているか。
どういうことか説明すると、ただの脚本に成り下がってるものも中にはあるんですよ。ただ風景描写して、登場人物の性格を書いて……みたいな、やっぱり小説なので文体を大切にしたいです。文体は作者の魂ですから。哲学ですから。それを単に説明で終わらせているような小説は、あまり好きではありません。
別に作者と僕とで価値観の乖離があってもいいんですよ。むしろそのほうが燃えます。新しい考え方を知ることができるわけですから。
で、たまに伊坂幸太郎を挟む!!
伊坂幸太郎は面白いです。それでいて安心して読めます。クオリティも保証されていますし、箸休め的な感じです。優しい小説です。作者の小説への愛を感じます。
もちろん、村上龍も大好きです。春樹も好きです。
だけどやっぱり、先述した作家たちが僕は大好きです。
チャールズ・ブコウスキー。おすすめは……できないですが、読んでみてください。
ブコウスキーの青年時代、不遇の時代を描いた『勝手に生きろ!』がおすすめです。