子「うわーん!痛いよー!」
母「どうしたの、顔が腫れてるじゃない」
子「おねえちゃんが……おねえちゃんが……」
母「おねえちゃんになにをされたの?」
子「ボマイェ」
母「えっ」
子「ボマイェ」
ビッキー・ホリディです。
26歳です。友人と遊ぼうにも、なにをして遊べばいいのか。
学生のころから飲みに行くくらいしかなく、まあ、10年近くそれだったのでいい加減、ね。
みんななにをして遊んでるんでしょうね。
以前、普通に飲むだけじゃつまらんということで、キャバクラに行ってきたことがあるんです。
僕は初めての経験でちょっとワクワクしていたのですが、キャッチのあんちゃんに連れられるがまま(この時点で泥酔してました)店へ入ると、客がいない。
ま、まあ、貸し切りってことでいいんじゃないか!と気を持ち直し、女の子がやってきました。なかなかの近距離で座ってきたのはいいんですが、なんか誰かとLINEやってるし。おい、横のオレはどうなるんだよ。
で、まあ、目の前には僕の大好きなシーバスリーガルがあるし、そいつを飲んでいようと、飲み放題だと聞いていたので飲んでいたんですよ。
たまに僕から話題を出して、女の子が素っ気なく答えるという、どっちがサービス提供者なのかわからなくなる事案もありましたが、ぐっとこらえて。シーバスリーガルのために。
話しかけられたかと思ったら、「ここ出てホテル行こう。3万円でいいよ」。
「ほかの男と行ってきな」と。
そんな感じで2時間くらいですかね、急に「お遊びはここまでだぜ」的に会計を要求されました。
キャッチのあんちゃんは3000円で朝まで飲み放題だと言っていたので、話が違うだろと。
場は一気に緊迫しました。
「3000円で飲めると思ってんじゃねえよ」
「だったらキャッチの人に言えよ」
「あれは外部委託だから関係ねえんだよ」
「でもこっちはその条件でここに来たんだよ」
店の強面の兄ちゃんが2、3人、こっちは僕を含めて4人。お互いにどんどん殺気立ってきていて、穏やかではありません。
「じゃあ、わかった、警察呼ぼう。それで話し合おう」
と友人の一人が携帯を出すと、あんちゃんはそれをひったくり、なにすんだよ返せよ、と押し合いへし合い。ついでに勢い余ってあんちゃんが友人を殴る。それに応酬する友人。
まあ、待て、冷静に、落ち着いて話そう。なんでこうなったのかも全部。
僕の声は呂律が回っておらず、誰にも届かず。そうこうしているうちに殴り合いになってしまい、僕は友人を羽交い絞めにして、いいから落ち着け!と。
店のあんちゃんは目がマジになっていて、こりゃまずいと、すみません、一回落ち着いて話しましょうと、ほとんど怒鳴るように僕は言ったのですが、やはりこの阿鼻叫喚のなかでは届かず。
気がついたら僕は殴り合ってた二人の間で、冷静になりましょう、落ち着いて、まずは話し合いましょう、と。
結局、万札を投げ捨てられ、「金はいらねえからさっさと消えろ」と。
明け方の新宿です。店の入っていたビルの非常階段から街へと戻りました。気がついたらやけに白く濁ったシーバスリーガルが僕の手に握られてました。
僕はやぶれかぶれな気持ちでそれを地面に叩きつけました。
っていう、一言でいえばボられた、ってことです。まあ、金は支払額以上手に入ったんですが。
そんな僕のキャバクラ初体験でした。