悲しみの端っこで誰かが歌う
そんな歌なんて いまはもうどこにもない
人が死なない話を書きたい ただそれだけ
求められていない そのうちに
なにかを得るたびに幸せを失う
なにかを失うたびに希望が消えていく
昼でもなく 夜でもない
暗いのか 眩しいのか
境界線をふらふらと
作った笑顔を見破ってよ
それで少し眠らせて
真珠のネックレス
ちょっと悪趣味だよね
なんか少し えげつない予感がする
いまなら
イヤリングもついて同じ価格って
なんか少し 切ない気持ちになる
まだ青い
レモンを齧れば
澱んだきらめきのなかで
また笑えそうな
そんな気がする
ただそれだけ
なにが楽しくて
なにが悲しくて
なにが切なくて
なにが悔しいのか
亀が泳ぐ
神保町の
地下鉄に
悲しい顔をした
女がひとり
長い坂を
下っていけば
家に帰れる
口笛を吹いて
泣きたくなって
朝になれば
また歩けるさ
優しい歌をうたってよ
甘いメロディーなんていらないから
もうどうしようもなくなったら
どこかへ行けばいい
すべてを投げ出して
クレタで死ねたなら
それはそれで構わない